醍醐桜 一夜限りの“満開” 真庭、ライトアップで輝く

ライトアップされて暗闇に浮かび上がった“満開”の醍醐桜

 樹齢千年といわれる岡山県天然記念物・醍醐(だいご)桜(真庭市別所)を一夜限りでライトアップする「醍醐桜のよるあかり」が12日、開かれた。枝や冬芽が明かりに照らされて春の満開のように薄ピンク色に輝き、人々を魅了した。

 標高約450メートルの高台に立つアズマヒガンで、樹高約18メートル、幹回り約7メートル。四方への枝張りは約20メートルにも及ぶ。午後6時、周囲に設置されたLED(発光ダイオード)照明6基が点灯すると、神秘的な姿が闇夜に浮かび上がり、観光客や地元住民らから歓声や拍手が湧いた。倉敷市のパート(49)は「満開の桜に引けを取らない美しさ。来て良かった」と喜んだ。

 ライトアップは、住民有志らでつくる実行委が春以外にも訪れてもらおうと昨年に続き開催。桜に続く歩道は、住民と一宮高(岡山市北区楢津)の生徒が竹と牛乳パックで作った灯籠計150個でともした。

 近藤正男実行委員長(68)は「花を楽しむ春とはひと味違う荘厳な巨木の美しさを堪能してもらえた」と話していた。

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