グッドルーザー 駅伝女子 3年生一丸となってチームの土台を作った大分西 【大分県】

下馬表は悪くはなかった。女子の県高校駅伝競走大会に出場した大分西は戦力が整い、8年ぶりの優勝を目指した。1区の谷佳純が1年生ながら力走を見せ、区間新となった大分東明の第1走者から15秒差でタスキをつないだ。上々のスタートに宮川剛監督は「100点満点の走りができた。勇気づける走りだった」とたたえた。

ここから一気に差を詰めて、逆転のシナリオを描いていたがプランが崩れた。1年の頃から大会に出場する宮川紗耶(3年)の調子が上がらず、差が開いた。宮川は「今年はチャンスだった。私が先頭の見える位置でタスキを渡さなければいけなかったのに、思うような結果が出せずに申し訳ない」と自分を責め、泣き崩れた。

宮川の無念を晴らそうと後続が踏ん張った。トップと70秒差でタスキを受け取ったアンカーの帆足茉優(同)は、競技人生に区切りをつけるラストランとなった。高校から本格的に競技を始めた帆足は、宮川、出走できなかった吉本思帆の同級生と苦楽をともにした3年間を振り返りながら走ったという。「家族のような存在だった。優勝を目指していたので、2位は残念な結果になったが、私の中でも最高の走りができ、今までで一番楽しく走れた」と笑顔でゴールした。

笑顔でゴールした帆足茉優

ゴールで帆足を待ち構えていた吉本は「3年生は3人しかいなかったが、全力で練習し、みんなでチームを作り上げた。結果は残念だったが悔いはない」と胸を張った。大会前に「みんなが笑顔で走れるように」との気持ちを込めて、スマイリーフェイスの手作りの髪飾りをメンバーに渡した。喜ぶメンバーを見て、「走りたい思いもあったが、笑顔でサポートしよう」と決め、サポートに徹し、メンバーが無事にタスキをつなぎゴールしたことを喜んだ。

宮川監督は「3年生それぞれが役割を果たし、戦えるチームとして大分西の基盤を作ってくれた。来年以降の礎となったのは確か」とねぎらった。キャプテンの宮川は「来年はダントツで抜け出し、全区間で区間賞の完全優勝を狙ってほしい」と、3年生を代表して下級生に思いを託した。

 苦楽をともにした3年生

(柚野真也)

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