密漁最多101人摘発「レジャー感覚で横行」 敦賀海上保安部2022年1~9月、福井県外者が9割

密漁されたサザエやカキ=7月、福井県小浜市(敦賀海上保安部提供)

 敦賀海上保安部は11月14日、2022年1~9月に福井県内で摘発した密漁は101人、160件(前年同時期87人、163件)だったと発表した。摘発人数は約2割増加して初めて100人を超え、統計を開始した2005年以降で最多となった。関西を中心とした県外者が約9割を占めた。

 敦賀海保(福井、小浜海上保安署含む)が沿岸部でのサザエやアワビなどの密漁取り締まりを実施。漁業法違反(漁業権の侵害)や福井県漁業調整規則違反(禁止期間)などを適用して、県内15人、県外86人を摘発した。内訳では京都21人、滋賀19人、大阪15人、愛知11人の順で多かった。

 被害に遭ったのはサザエ2441個が最も多く、カキ134個、アワビ66個、ナマコ37個、ウニ11個、マダコ2匹だった。

 摘発したのは敦賀海保29人42件、小浜54人86件、福井18人32件。年代別の摘発数では50代33人が最も多く、40代21人、20代19人と続いた。

 小浜市では7月、1人でサザエ328個、カキ58個、アワビ2個を密漁したケースも。敦賀海保は、コロナ禍で密を避けた野外活動の人気の高まりと、県境を越える旅行自粛などといった行動制限緩和が重なったことから「レジャー感覚でのサザエ、アワビなどの密漁が横行した」と分析。悪質なものでは漁業者にも採ることが認められていない稚貝まで密漁しており「罪の意識が薄い状況」(同海保)と指摘している。

 同海保では「漁業者からの要請を受けており、今後も密漁取り締まりを継続していく。県などと連携を図り、厳正に実施していく」としている。

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