マッチングサイトで学生と企業を結びつけ…双方にメリット 福井県の「TONOSAMA」が2023年春開設

社会活動などに取り組む学生と福井県内企業のマッチングを図るサイト「ファンモア」の立ち上げを計画する山本昌平社長(右)=福井県福井市西木田2丁目のTONOSAMA

 企業のウェブマーケティング支援などのTONOSAMA(本社福井県福井市西木田2丁目、山本昌平社長)は、探究活動や社会活動などを行う県内学生を支援するため、学生と企業をマッチングするウェブサイトを2023年4月に開設する。活動を行おうとする高校生や大学生は支援を必要とするケースが多く、「サイトを通じて学生と企業を結びつけ、学生の成長を手助けするとともに福井を盛り上げていきたい」と意気込む。

 同社は企業のホームページやウェブ広告などを手がけてきたほか、高校生の探究活動を支援する福井大学の事業などに参加してきた。探究活動では地域企業の協力が必要な場合が多いが、なかなか理解が得られにくいのが実情という。「大人が考えつかないような柔軟な発想」(同社)を社会に生かすため、サイト開設を企画した。

 立ち上げ予定のサイト「Fun More(ファンモア)」では、学生は自己紹介ページに必要とする支援を記入し、企業は支援できる内容や事業概要などを掲載。例えば、地域の子どもたちに勉強を教える塾を開きたいが場所のない学生たちと、オフィスの一角を提供できる企業がいれば、お互いにアプローチできるようにする。学生は支援企業を募集でき、企業は意欲ある学生とつながることができるという。

 山本社長はこれまで学生たちと交流し、「支援金より活動場所や企業が持つノウハウや技術などの協力を求める学生が多い」と話す。企業にとっては「学生に支援を通じて企業概要や社風を知ってもらえる。優秀な学生との交流を深めることができ、採用などの面でメリットが生まれやすい」という。サイトへの登録は学生、企業ともに無料にする考え。

 システム構築費などの資金を、福井県に特化したクラウドファンディングサービス「ミラカナ」で、12月19日まで募る。目標金額は130万円。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年からは福邦銀行も事業に参画した。累計支援額は1億6千万円、プロジェクトの達成率は93%(22年10月末時点)。

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