「いいかげんにして」長崎県民憤り “寺田総務相更迭” 政府に不信感も

 寺田稔総務相の更迭が決まった20日、この1カ月で3人目となる閣僚辞任に、長崎県民は「いいかげんにして」「裏切らないで」とあきれ、憤った。県内与野党からも苦言や批判が聞かれた。
 佐世保市春日町の70代の女性は「(寺田氏の)更迭は当たり前」と言い切り、内閣を去った3人に対し「国民の生活を良くしようと政治家になったわけじゃないのか」と資質を疑った。不祥事による“辞任ドミノ”に「岸田首相にも任命責任がある。柔和で就任当初は成果を出してくれそうな気がしたけれど期待外れ」とため息をついた。
 いずれの更迭でも岸田首相の「後手」が批判の的に。西海市西彼町の自営業男性(42)は「いいかげんにしてほしい。問題が起きたら素早く、しっかりとした対応を」と苦言。新上五島町の自営業、60代の女性も「こうも続くと政府に不信感を抱いてしまう」と眉をひそめ、「国民の信託を裏切るようなことはしないで」と求めた。
 自民党県連の徳永達也幹事長は寺田氏について「あやふやな説明では国民は納得できない。結果的に説明責任を果たさなかった」と失望を隠さない。批判の高まりを踏まえ、「辞めさせるならばもっと早く判断をすべきでなかったか」と岸田首相の対応を疑問視し、政権運営への影響を懸念した。
 国民民主党県連の深堀浩幹事長は「短期間に主要閣僚が立て続けに辞めるのは異常事態。円安や物価高など国難の時だというのに。国民にとって不幸だ」と批判。「任命した首相の責任が問われる」と切り捨てた。


© 株式会社長崎新聞社