食料確保や感染防止に苦心 使い捨て食器が重宝 新型コロナ 自宅療養で困ったことは?LINEアンケート

 長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト」は9月初め、新型コロナウイルスに感染し自宅療養した人や家族、同居者などを対象に、困ったことや大変だったことを尋ねるLINE(ライン)のアンケートを実施した。感染者は当時、7日間以上外出禁止となり同居家族も外出しづらくなったことから、回答者の約半数が食事や必要な食料品の確保を挙げた。本人や家族が家庭内での感染拡大防止に苦心する姿なども浮かび上がった。

 ■外出できず
 アンケートでは「自宅療養で一番困ったこと、大変だったこと」「『感染以前に準備しておけばよかった』と後悔したこと(任意)」について文章回答を募集。計185人(感染者107、家族、同居者など78)が回答を寄せた。
 食料品や飲み物の確保が大変だったという趣旨の回答は全体で最も多かった。「1人暮らしで食料などの確保に苦労」(感染者・県央・島原、40代男性)、「家族が多く食料を備蓄しておらず困った」(同・県北、40代男性)といった声が大半。ネットスーパーを利用した人からも「すぐに持ってきてくれるわけではなく、早めの購入が必要」(同・長崎、50代女性)との声が寄せられた。
 「感染以前に準備しておけばよかったこと」の回答からは、自宅療養中に必要な食料品や飲み物の傾向が見て取れた。感染し症状がひどくなると料理や家事がきつくなるため、食料品は調理が簡単なことを条件に挙げた人が多数。発熱やのどの痛み、食欲減退から「食べられるものが限られる」という声も多く、アイスクリームや果物、そうめんなどが推された。飲み物は氷水、スポーツ飲料、経口補水液などが挙がった。

 ■消毒、隔離
 次いで回答が多かったのは感染防止に関連する内容。「消毒、除菌と保健所との連絡」(家族、同居者など・長崎、60代男性)(同・長崎、50代女性)「(感染した夫を)寝室に隔離。動線は風呂とトイレのみ。自分と息子2人を感染から守ることに必死だった」(同・長崎、40代女性)など、可能な限りの対策に取り組んだ様子がうかがえた。
 感染防止に関連して、使い捨て食器の使用が有効とする回答が目立った。紙皿、紙コップ、割り箸のほかに「のどが痛いと麺類やおかゆが多いので、おわん型の使い捨てカップ」(家族、同居者など・長崎、40代女性)という「なるほど!」な声も。
 療養中の暮らしを巡っては、家事の大変さを挙げた回答が一定数寄せられた。「子どものご飯をつくること」(同・長崎、40代男性)「毎日の食事、洗濯などの家事。普段と同じように頑張るしかなかった」(感染者・長崎、40代女性)などだった。

 ■準備が大切
 一方、「食」関連以外で「準備しておけばよかったもの」として挙がったのは抗原検査キットや鎮痛解熱剤、のどあめなど。「(髪を数日洗えないので)ドライシャンプー」(感染者・長崎、50代女性)という意見も。「感染したらどうするか調べておけばよかった」と「事前の準備や情報」が必要だったとする回答も、少なからずあった。

 このほか、感染で仕事や家族に「迷惑をかけた」などとする自責の念や、外出できないこと、体を動かせないことのストレスが「大変だった」との回答があった。保健所とのやりとりや、感染者が自ら入力する政府の感染者情報共有システム「MY HER-SYS(マイハーシス)」の手間を指摘した人もいた。
 新型コロナ感染に伴う自宅療養については、県感染症対策室が注意事項などをまとめたパンフレットを作製し、県のホームページで公開している。同室は「準備などについても触れているので、事前に目を通してもらえれば」としている

 ◎アンケートの詳細

 9月2~6日に実施。回答者185人の男女別内訳は女性64.3%、男性34.6%。地域別は▽長崎(長崎市、西彼時津・長与両町)53%▽県央・島原(諫早・大村・西海・島原・雲仙・南島原各市)26.5%▽県北(佐世保・平戸・松浦各市、東彼川棚・波佐見・東彼杵・北松佐々各町)17.3%▽離島(五島・壱岐・対馬各市、新上五島・北松小値賀両町)2.2%▽県外・その他1.1%-。LINEのアンケートは多様な意見を紹介するのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。


© 株式会社長崎新聞社