バサジィ大分 狩野流改革で「闘う集団」へ脱皮 【大分県】

フットサルのバサジィ大分が苦しんでいる。10節を終えて、監督交代に踏み切った。2017年から5年間、チームのコーチ、サテライトチームの監督を務めた狩野新監督が就任したが白星が遠い。前節(13節)のボルクバレット北九州に敗れ7連敗、通算成績は1勝12敗で最下位と低迷する。狩野監督は「現状ではあらゆる部分で甘いところがあるが、勝ちにつながっていないものの、シュート数が増え、アグレッシブな練習ができている」と悲愴(ひそう)感はない。

狩野監督がまず着手したのが、1試合平均4失点、総失点数52となるリーグワーストの守備面だ。大幅なテコ入れをしている時間的な余裕があまりないため、システムや戦術に手を加えることはないが、自陣で守備ブロックを形成し、プレスを徹底。そして、ボールを奪えばカウンターでゴールを目指す。これは今季目指したスタイルとは異なるが、「残り試合が少なくなる中で、まずはシンプルにプレーして失点を減らすことを優先している」と前向きだ。

改善点に失点数減少を挙げた狩野新監督

フィジカルとメンタル面に対しても、新たなアプローチを見せている。選手には「試合だけでなく練習から100%の力を出し切ってほしい」と伝え、練習では気の緩みや集中力を欠くプレーがあると指摘の声が飛ぶ。意図的に厳しい負荷やプレッシャーをかけ、その中で精度を落とさずにプレーすること、味方とイメージを一致させた連動性を出していくことに重点を置いている。

確かに即効性を期待するのは難しいかもしれないが、密度の濃い今の練習を積み重ねることで、効果は確実に現れるはずだ。「戦術的な落とし込みは少ないが、課題が明確で、コミュニケーションの部分でも選手と向き合ってくれている。もっと良くなると思うし、結果が出ると思っている」(森村孝志)と選手らも監督との意思が合っている。

狩野新体制となった大分。チームとしての意思統一と実行性を高め、「闘う集団」へと生まれ変わることで降格圏からの脱出を狙う。

選手には練習から100%の力を出し切るよう求めている

(柚野真也)

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