サッカーのワールドカップカタール大会で日本は23日、優勝候補ドイツを撃破し歓喜のスタートを切った。代表に栃木県出身の選手はいないが、真岡市出身で元Jリーガー上野優作(うえのゆうさく)さん(49)がコーチとして金星に貢献した。県内にいる高校時代の恩師や同級生、現役のサッカー部員らは、祝福の思いとともにコスタリカ戦の勝利も願っている。
上野さんは真岡高サッカー部出身。当時、同校で監督を務めた益子町、谷中次夫(やなかつぎお)さん(68)は「選手、スタッフ、全員の力で勝ち取った。優作の力もあったかな」と教え子がつかんだ大きな勝利を喜んだ。
谷中さんは家が近所だった上野さんを小学生のころから知っていた。「昔から大きくて、目立っていた」。プレーには目を張るものがあった。高校時代は「真面目で努力家」。1年時と、主将を任せた3年時には冬の全国選手権をともに戦った。
今年5月には同部OB会による激励会を開き、大舞台へ送り出した。「選手と監督たちの間をつないで、やるべきことをやれば良い結果が付いてくる」とエールを送った。
母校の後輩も注目している。真岡高サッカー部2年の石塚音哉(いしつかおとや)さん(17)は、上野さんに直接会ったことはないが「自分たちの模範」と世界で戦う先輩を目指すべき存在に据えている。
27日のコスタリカ戦、1次リーグ最終の12月2日のスペイン戦もリアルタイムで見ると言い「ベスト8、最後は優勝まで日本を導いてほしい」と期待を込めた。
上野さんは筑波大を卒業後、J1の福岡、広島などを経てJ2栃木SCでもプレー。2008年の引退後は栃木SCなどで指導者を務めた。
栃木SCのDF黒崎隼人(くろさきはやと)はユース時代に指導を受けた。クラブを通じ「日本代表の練習風景や動画がアップされている時に写っていたり、それを見るたびに『元気だな』と思う。恩師が代表のコーチをやっている姿を見て、いつか自分もあの場所に行けるように頑張っていきたい。優作さんもカタールで、目標に向かっていってほしい」とコメントした。
同クラブスタッフで真岡高時代の同級生八木貴志(やぎたかし)さん(49)は「頑張っている姿はとても刺激になる。試合を見るだけではなく、ベンチが映った際に優作を探してしまう。この調子で歴史を変えてほしい」とコメントした。