きょうから12月

 復興相は今、丁寧に説明責任を果たしている途上だ…そんな答弁が国会で空しく響く。先週末の世論調査では内閣への“不支持率”がとうとう5割を超えた。〈いつまで首相を続けてほしいか〉の問いには「できるだけ早く辞めて」の回答が3割で最多▲低空飛行、危険水域-。そんな表現がぴたりと来る。この欄でも触れた自身の領収書問題も依然くすぶっている。岸田文雄首相の苦境が続いている。今度は政治資金問題や選挙運動中の「影武者」などで秋葉賢也復興相が追及の矢面に▲品ぞろえが豊富で、新しいモノが次々…野党からは「疑惑のコンビニ」と手厳しい一言が飛びだした。既に内閣を去った先の3閣僚と同様、更迭を決断すべきでは-と問われて述べたのが冒頭に引いた答弁▲3人からは「国会審議に支障を来す」と自ら辞任の申し出があり、私がそれを認めた、秋葉氏は違う-と首相。これ以上の辞任の連鎖は何としても避けたい気持ちの表れだろうが、この説明はどうにも苦しい▲物価高、コロナ対策のこれから、防衛政策…。論じるべきテーマは幾つもあるのに、大臣の疑惑とその釈明に短くない時間が割かれる現状は“国会審議への支障”以外の何物でもないだろう▲冷え込みが厳しくなった。きょうから12月。2022年は残り1カ月。(智)


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