小浜湾が育む冬の味覚「若狭かき」ぷるん…栄養価高く、身ぎっしり 福井県小浜市で出荷本格化

殻の中に身がぎっしり詰まった「若狭かき」
付着物を取り除いたカキを籠いっぱいに詰めた中島黎司さん=12月5日、福井県小浜市甲ケ崎

 福井県の小浜湾で養殖されている冬の味覚「若狭かき」の出荷が小浜市内外海地区で本格化している。カキが生育する秋に海水が適温に保たれ、順調に成長。出荷量は昨季の2倍となる約2700キロを見込む。出荷は来年4月まで続く。

 若狭かきは、同市甲ケ崎、仏谷で約10軒が養殖している。40年以上養殖を続ける中島黎司さん(90)によると、小浜湾を囲む山々から養分が流れ込み、カキの成長に適した環境をつくり出しているという。

 12月5日には、養殖いかだ近くの海上でカキの付着物の除去作業を行った。専用のナイフを使い、大きさ10センチほどの殻の表面に付いたフジツボやホヤなどを取り除いた。「カキが育ちやすい秋に雨がよく降り、水温が26、27度前後の適温に保たれた」と中島さん。大きさも例年並みに成長し、殻の中には身がぎっしりと詰まっている。

 殻をきれいにしたカキは籠に入れて養殖いかだに戻し、出荷が近づくまで海中に保管する。

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 中島さんの養殖場では、1キロあたり800円のカキを数キロごとに箱に入れて出荷している。12月中旬にかけて嶺北や関西圏から注文が増えるという。中島さんは「焼きや蒸しで食べるのがおすすめ。栄養価の高い若狭かきを味わってほしい」と話していた。

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