平穏願い目光らせ 県下一斉警戒、20カ所で検問 栃木県警

巡視する高木生活安全部長(左)と早藤宇都宮東署長=16日午後8時15分、宇都宮市今泉町

 年末年始特別警戒の一環として、栃木県警は16日夜から深夜まで「県下一斉警戒」を実施した。全19署の警察官計324人が幹線道路など20カ所で3905台を検問し、携帯電話使用や運転免許証不携帯などで9件を摘発した。高木克尚(たかぎかつひさ)生活安全部長と佐藤雅人(さとうまさひと)交通部長が巡視した宇都宮、鹿沼両市内の検問を取材した。

 ■宇都宮東署

 家路につく会社員らの車で混み合う宇都宮市今泉町の国道4号。午後7時半ごろ、旧宇都宮東署前で署員20人が検問を始めた。

 赤信号に合わせて一度に車を5台ほど止め、2人1組で対応。1人が提示された運転免許証を確認し、もう1人は車内に不審な点がないか目を走らせた。

 管内では今年、死亡事故が2件発生している。「年末なので空き巣などの犯罪にも気を付けて」。署員は運転手に声を掛け、ティッシュを手渡して見送った。

 「1年を平穏に締めくくれるよう一斉警戒をきっかけに気を引き締めてほしい」と早藤晴樹(はやふじはるき)署長。高木生活安全部長は「県民が穏やかな年末年始を迎えられるように頑張ってほしい」と署員を激励した。

 ■鹿沼署

 午後7時、鹿沼市上殿町のさつき大通り。鹿沼署付近の交差点に簡易の検問所が設けられた。田畑と民家が混在するエリアで、パトカーの赤色灯がひときわ目を引く。

 一直線に並んだ約15人の署員が、信号待ちの車に近づいた。渡辺正祐(わたなべまさひろ)署長自ら運転手の免許証を確認し「安全運転でお願いします」と声をかけた。車体に傷がある車などを署に誘導し、念入りに確認した。

 管内では16日までに昨年を上回る5件の交通死亡事故が発生した。横断歩道のない道路を横断中の歩行者がはねられる事故が複数あった。署員を督励した佐藤交通部長は「年末はせかせかするので、特に事故に気を付けてほしい」と求めた。

検問する渡辺鹿沼署長(右)と佐藤交通部長=16日午後7時15分、鹿沼市上殿町

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