手話劇通じ聴覚障害へ理解深める 笠岡で「祭」 歌や狂言楽しむ

手話劇を披露する「このゆびと~まれ!」のメンバー

 全国618市区が加盟する全国手話言語市区長会主催の「手話劇祭」が18日、笠岡市民会館(同市六番町)で開かれ、全国から訪れた約900人が、手話を交えた劇や狂言などのステージを通じて手話や聴覚障害への理解を深めた。

 一般参加者による手話コンテストには、公民館の手話教室に通う子どもたちや手話サークルなど井笠地域の4組が出場。歌や劇、ダンスを発表した。最優秀賞には聴覚障害のある親と、子どもや近所の人たちの日常を劇で演じた井笠地域の手話関係者のグループ「このゆびと~まれ!」が選ばれた。

 日本ろう者劇団(東京)は手話狂言を披露。主人の留守に大事な砂糖を全部食べてしまった太郎冠者と次郎冠者の言い訳を描いた「附子(ぶす)」を演じ、観客はユーモラスなやりとりや所作を楽しんだ。

 聴覚障害のある息子がいる今井絵理子参院議員の講演もあった。

 手話サークルに入っているという女性(66)=岡山県里庄町=は「盛りだくさんの内容でとても楽しかった。さらに手話の魅力を知ることができた」と話していた。

 手話劇祭は、同市区長会に加盟する自治体が2017年から持ち回りで開いている。県内では岡山、津山、笠岡など11市が加盟しており、中国地方では初開催となった。

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