U-22プログラミングコン 洲加本さん(海星中)ダブル受賞 永田さん(佐世保高専)も入賞

写真右から「じゃんけん鬼オンライン」でダブル受賞した洲加本さん=長崎市、「ゆめみ賞」を受賞した永田さん=佐世保市

 22歳以下のITエンジニアが競う「U-22プログラミングコンテスト」で、長崎県在住の2人が入賞した。海星中2年の洲加本倖太郎さん(14)は、経済産業省商務情報政策局長賞「アイデア賞」とスポンサー企業賞「サイボウズ賞」を獲得。佐世保高専電子制御工学科4年の永田佳己さん(18)は、同企業賞「ゆめみ賞」に選ばれた。

 洲加本さんは「祖父や弟妹と一緒に遊べるゲーム」をコンセプトに「じゃんけん鬼オンライン」を開発した。6人で対戦する鬼ごっこ。プレーヤーはじゃんけんの「グー、チョキ、パー」のいずれかの役割が与えられ、迷路を動き回りながら、勝てる相手を捕まえる。一定時間で役が変わり、立場が逆転するアイデアが評価された。
 教育現場向けの「Scratch」という簡素なプログラムで制作。高度な処理をするには、多くの命令を組み合わせる工夫が求められる。「見えない壁ができて進めない」「敵にタッチしても認識されない」など度重なる不具合を根気強く修正し、通信処理をスムーズにするためプログラムの最適化にも尽力した。
 小学4年生から独学で学んできた洲加本さん。今大会は中学生で唯一の入選だった。「次は生活がより良くなるようなアプリを作りたい」と思い描く。
 永田さんは、自らの名前を冠したプログラミング言語「yoshiki言語」を作成。コンピューターが理解できる命令文を作るソフトウエアをゼロから開発した。一定条件下での処理速度は、世界基準で使用されているソフトウエアに匹敵するという。
 永田さんは「どんな命令を出したら(処理が)速くなるかを考えるのに苦労した」と振り返り、「将来は(同様の既存ソフトウエアよりも)いいものを作りたい」と意気込んだ。
 1980年から続く全国規模のコンテストで、IT企業などでつくる実行委が人材の発掘、育成を目的に主催。経産省などが後援し、協賛企業が支援する。今大会は328作品がエントリーし、16作品が入賞した。


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