鳥インフルエンザ 長崎県内初確認 佐世保・江迎の養鶏場で殺処分開始

 長崎県は22日、佐世保市江迎町の養鶏場で見つかった高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例に関し、遺伝子検査で陽性を確認したと発表した。県内の養鶏場では初めて。同日、この養鶏場で飼育する採卵鶏2万7千羽すべての殺処分を開始し、午後3時時点で1万2910羽(48%)を処分した。25日朝までに埋却、消毒も含めて防疫作業を完了する予定。
 21日に簡易検査で陽性だった13羽の遺伝子検査を実施し、全羽から高病原性の「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。今後、国が高病原性かどうかの確定作業を進め、1週間で結果が判明する見通し。県によると、県内の他の137の養鶏場から異常は報告されていないという。
 県は発生養鶏場を中心に半径3キロを移動制限区域(佐世保、平戸、松浦3市の一部、養鶏場など5戸)に、半径10キロを搬出制限区域(同3市と佐々町の一部、同22戸)に設定し、ニワトリや卵などの移動や出荷を制限。半径10キロ以内に関係車両の消毒ポイントを4カ所設置した。
 大石賢吾知事は県幹部の会合で「迅速な初動対応でウイルスの封じ込めに万全を期してほしい」と述べた。
 また知事は農林水産省の勝俣孝明副大臣とオンラインで会談。家畜伝染病予防法に基づく発生農家に対する手当金の円滑な支給や、防疫資材が不足した場合の支援を要望した。
 県は人が鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染する可能性はないとし、死亡野鳥を見つけたら素手で触らず県や市町に連絡するよう呼びかけている。


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