第101回全国高校サッカー選手権は28日に東京・国立競技場で開会式と開幕試合が行われ、来年1月9日まで熱戦が繰り広げられる。各都道府県代表48校(東京2)が出場。12大会ぶり24度目の出場となる長崎県代表の国見は、29日の1回戦(14時10分・ニッパツ三ツ沢球技場)で2大会連続12度目出場の北海(北海道)と対戦する。
名門国見が全国舞台に帰ってくる。県大会では全4試合で複数ゴールを挙げ、失点は決勝の不運なミドルシュートのみだった。統率の取れた4バックで守備を安定させ、ボール保持率を高めながら、セットプレーで得点を積む必勝パターンで勝ち上がってきた。
10番を背負うMF北村と球際に強いMF濵田が、パスサッカーを掲げるチームの心臓部を担う。北村は左右に散らし、機を見てゴール前にも顔を出すチャンスメーカー。好調なセットプレーのキッカーとしても注目度が高い。濵田はパスセンスに加えて、いち早くルーズボールに反応できる。ピンチの芽を摘む黒子役だ。
サイド攻撃は大きな武器で、MF中村敦は突破力、MF幸は技術、MF今林はスピードで勝負する。両サイドバックもタッチライン側から追い抜く動きで意欲的にクロスを供給する。
前線の組み合わせに応じて攻め方が変わる。入学時から主力のFW中山は背後への動き出しが良く、MF川添は1.5列目からボールを前に運べる器用なタイプ。FW利根はフィジカルが強く、ここぞという時にゴールを決める根っからのストライカーだ。ルーキー西山は最後の切り札として投入される試合が多い。
負担が分散するようにと、主将を2人据えているのも特徴の一つ。腕章を巻くことが多いDF村田は「波に乗れば強い選手が多い。楽しくプレーできるように、まずは初戦を勝ちたい」。しっかり者のDF上田は「攻撃のパターンを増やせば国見の良さを発揮できる」とチームのさらなる成長を促している。
就任5年目で母校を全国へ導いた木藤監督は「全国に出られなかった12年、いろんな方の思いを受け継いで今がある。地域からの温かい応援も感じている。応えられるよう、攻守においてアグレッシブに戦ってくる」と意気込んでいる。