「斬月」ペーパーナイフ 精巧に 安藤さん鍛錬 漫画主人公の刀模す

「斬月」を模したペーパーナイフの出来栄えを確かめる安藤さん

 備前おさふね刀剣の里(瀬戸内市長船町長船)を拠点に活動する刀鍛冶の安藤広康さん(43)=岡山市=が、人気漫画「BLEACH(ブリーチ)」の主人公が持つ刀を模したペーパーナイフを受注生産している。日本刀に使われる玉鋼から鍛錬した精巧なナイフはファンの間で人気を呼んでおり、刀剣文化の発信にも一役買っている。

 BLEACHは高校生が悪霊退散に活躍する漫画。玉鋼を鍛えたナイフ(長さ約20センチ)は主人公・黒崎一護が持つ「斬月(ざんげつ)」に似た形状で、白と黒に分かれた刀身が特徴だ。

 日本の伝統文化継承事業「HITOFURI(ひとふり)プロジェクト」を行う会社の依頼で昨年からペーパーナイフを作っていたが、購入者や漫画のファンの間でSNS(交流サイト)を通じて「斬月に似ている」と話題に。よりリアルに作り上げて原作者の久保帯人さんに送ったところ好評で、今年8月から本格的に生産を始めた。

 幅が広く薄い刀身を折らない絶妙な力加減が求められる鍛錬は「刀鍛冶の腕の見せどころ」と安藤さん。「めったにない機会をいただいた。今後の日本刀作りにも生かしたい」と話している。

 1本9万9千円。久保さんの公式ファンクラブ「Klub Outside」内で31日まで予約を受け付けている。

「斬月」を模したペーパーナイフを仕上げる安藤さん

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