<わがまち回顧2022> 西海支局 長崎オランダ村 法廷闘争に

昨年5月に休業した長崎オランダ村=西海市西彼町

 昨年5月、営業を休止した長崎県西海市西彼町の観光施設「長崎オランダ村」。海上ウッドデッキを支える鋼管くいなどの腐食、劣化に端を発する休業問題は、土地・建物の明け渡しなどを巡る法廷闘争へと発展した。
 「耐用年数は30年あると説明、保証していたのに、事業開始5年程度で休業に追い込まれた責任は市にある」。11月、使用貸借契約の終了を通知されていたオランダ村の運営会社が、明け渡し義務がないことの確認や損害賠償を求め市側を提訴した。
 一方、それを受け市は「契約終了後も不法に占拠している」として、12月定例市議会に同社提訴に向けた議案を提出。一部議員が反対する中、原案通り可決された。明け渡しと、占拠期間中の賃料相当の損害金の支払いを求めている。
 歴代首長の課題となっている旧長崎オランダ村の跡地活用。閉園と破綻を経験し、裁判に巻き込まれたケースもあるだけに、市の再生事業の在り方や対応に厳しい目を向ける市民も多い。
 オランダ村は提訴に先立ち、公務員職権乱用容疑で杉澤泰彦市長らに対する告訴状を西海署に提出しており、裁判とともに、その行方が注目される。
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