福井駅、車窓から見える恐竜で王国発信 2024年春開業、北陸新幹線の新駅舎紹介

JR福井駅新幹線駅舎に隣接する福井市観光交流センター屋上に設置されたフクイティタンのモニュメント=同市中央1丁目
工藤まどかさん

 福井県福井市の北陸新幹線福井駅舎周辺では「恐竜王国ふくい」を象徴する空間整備が進んでいる。新幹線の車窓と同じ高さの観光交流センター屋上には大小9体のモニュメントが設置され、来福客を出迎える。

 西口広場の既存の3体に加え、今後はティラノサウルス類やスピノサウルス類、トリケラトプスなどが駅舎周辺に登場する。県や市は、まちなかを歩き回る恐竜が見える「ARディスプレー」を西口側に設置。ペイント、照明などによる陸・海・空をイメージした空間づくりも行う。

 県都の新たな玄関口となる駅舎は「太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅」がデザインコンセプト。一乗谷朝倉氏遺跡や大本山永平寺の唐門をモチーフにした木調の外観で、コンコースは天井や柱に県産木材や越前和紙を用いて「和の空間」を演出。福井の豊かな歴史を表現している。

 再開発事業では、北陸初進出となるホテルが入る県内最高層のビル建設が着々と進む。一部では、同時開業を目指していた事業の遅れが表面化したが、県都の玄関口は大きく様変わりしようとしている。

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◇観光案内所・工藤まどかさんに聞く

 福井市観光案内所の工藤まどかさん(51)は「多くの観光客の拠点となる重要な駅。福井の人の温かさを感じてもらえるよう、一対一のおもてなしを大切にしていきたい」と話す。

 市民一丸でのおもてなし推進のけん引役として、市が2021年度初めて認定した「観光おもてなしスーパーマイスター」の一人。航空会社の客室乗務員だった経験も生かし、観光客の印象に残る案内を心がける。

 再開発工事を間近に望み「新幹線開業が近づくのを肌で感じる。時間はないと思って士気を上げていかないと」と引き締める。「福井は水も空気も食べ物もおいしく、何より人がいい。お客さまに合わせたおもてなしで魅力を余すことなく伝えたい」

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