国見 PK戦で粘り勝ち 全員で体張りゴール死守 

【2回戦、尚志-国見】後半18分、ゴール前で体を張って守る国見の選手たち=ニッパツ三ツ沢球技場

 かつて頂点に君臨した時代の魂が乗り移ったような、勝利への執念を見せた。国見は防戦一方となりながらもついに最後までゴールを割らせず、PK戦で粘り勝ち。来季のプレミアリーグ参入を決めた格上を相手に番狂わせを起こしてみせた。木藤監督は「試合の中で子どもたちが成長していた。うれしかった」と力闘を終えた選手たちに賛辞を惜しまなかった。
 全員が身をていして、とにかく守りまくった。ペナルティーエリア内から怒濤(どとう)のシュートを浴びながらも、体を投げ出してゴールを隠した。華麗なテクニックで1人がかわされても、反応素早くカバーに回った。1対1でGK今村が絶好のセーブを見せた。終了間際はゴールライン上のボールを守備陣が間一髪、かき出した。
 技術もパワーも尚志が上。主導権を握る理想のサッカーはまったく見せられなかった。それでも、今村は「きょうが今までの中で一番いい試合だったんじゃないか」と力を込める。個の力で及ばなくても、組織的な守備で対応。後半16分にはFW利根が先制の絶好機を迎えるなど勝利に向かう姿勢を貫いたのが勝因だ。
 年をまたいで行われる3回戦の相手は前回優勝の青森山田に決まった。DF平田は「みんな山田が勝つと思っているだろうけど、その予想を覆してやろうかな」とにやり。令和の王者に、戦後最多タイの優勝6度を誇る平成の王者がどんな戦いを見せるか。熱い正月になりそうだ。


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