『全日本バレー高校選手権』1月4日開幕 長崎県代表 男子・大村工/女子・九州文化

昨季の悔しさをバネに2年ぶりの春高切符をつかんだ男子の大村工(写真左)、主要全国大会出場100回目となる節目のコートに立つ女子の九州文化学園=島原市、島原復興アリーナ

 第75回全日本バレーボール高校選手権(春高)は来年1月4~8日、東京体育館で行われる。各都道府県予選を勝ち抜いた男女各52校がエントリー。トーナメントで熱戦を繰り広げる。長崎県勢は男子の大村工が2年ぶり19度目、女子の九州文化学園が3年ぶり35度目(推薦を含む)の出場権を獲得。そろって上位に絡める力を備えている。コロナ禍の影響で準々決勝までは無観客、準決勝以降は有観客で実施する。

■男子 大村工/成長示す絶好の舞台

 全国出場を逃した昨季の悔しさをバネに、今季は各種県大会で1セットも落とさず王座を奪回してきた。その一方で、インターハイは決勝トーナメント1回戦で敗れるなど、全国優勝の実績もあるチームにとっては満足できる結果は残せていない。初戦の相手は高川学園(山口)、勝てば夏に敗れた愛工大名電(愛知)との再戦となる。成長を示す上でいい組み合わせになった。
 OP山口とOH土井の両エースが得点源だが、激しい部内競争を繰り広げながらチーム全体が底上げされてきた。朝長監督が「スタメンに3年生の人数が増えてきた。最後に懸ける思いに期待したい」と話すように、山口と同じく左利きのOH松島やMB小谷が攻撃の幅を広げ、セッター荒木がコンビバレーを操る。
 下級生もU18日本代表の土井をはじめ、センター線の浅田、安元、セッター富永ら有望株がそろう。序盤から厳しい戦いも予想されるが、ステップアップしていける好機でもある。主将の松島は「どこも強いけど、いいとこに入ったなとワクワクしている。日本一の目標をぶらさずに、レシーブとブロックでしっかり相手を崩していきたい」と言葉に力を込める。

■女子 九州文化/「心のバレー」存分に

 3年ぶりに取り戻した春高切符。夏のインターハイと秋の国体を含めて15回の日本一を誇る名門が、主要全国大会で100回目となる節目のコートに立つ。開会式で選手宣誓も務める主将のOH田中凛は「これまで歴史をつくってくださった先輩方にも喜んでもらえるように、自分たちらしい元気で思い切りのいいバレーを見せたい」と意気込んでいる。
 県大会は全試合ストレート勝ち。1年生セッター平川が「誰に上げても決めてくれる」と信頼を置くように、OHの大串と田中凛、OP田中聖が気迫を前面に出した強打を連発し、足立と山本のMB陣も負けじと存在感を放った。その決勝でスタメンから外れたOH君田にも注目。集大成のプレーを存分に発揮したい。1年生も平川の他に4人がメンバー入りした。
 現選手たちにとっては初の舞台だが、十分に戦える心技体を備える。初戦の相手は横浜隼人(神奈川)。勝ち進めば3回戦でインターハイ準Vの古川学園(宮城)との対戦が予想される。井上監督は「状態は悪くない。大事にしてきた『心のバレー』を進化させていくための大会にできればいいと思う」とチームの奮起に期待を込める。


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