新成人、飛躍誓う 友人との再会喜ぶ 長崎県内3市4町

笑顔があふれる20歳の若者ら=新上五島町

 年末年始の帰省時期に合わせ、県内3市4町で3日、20歳を祝う集いなどがあった。成人年齢を18歳に引き下げる改正民法が昨年4月に施行されたのに伴い、成人式から名称を改めた自治体も。出席者たちは友人との再会を喜び、飛躍を誓った。

◎行動に責任を/新上五島、小値賀

 新上五島町は青方郷の町石油備蓄記念会館で「新上五島町二十歳のつどい」を開き、対象者196人のうち170人が出席した。
 石田信明町長が代表者に記念品を贈り「今日を節目とし、勇気を持って新たな世界で活躍してほしい。古里は変わることなく皆さんを応援している」と激励。代表の町職員、松村亮さんが「地域活動に積極的に参加することで恩返しをする。自分自身の行動一つ一つに責任を持つようにしたい」と抱負を述べた。
 北松小値賀町は笛吹郷の町離島開発総合センターで開き、対象者24人のうち21人が出席。代表の大学生、橋本虎大郎(こたろう)さんは「小値賀で育って幸せ。新たな決意を胸に、人生悔いのないよう歩むことを誓う」とあいさつした。

◎誇り持ち精進/平戸

 平戸市は、岩の上町の平戸文化センターで「二十歳の集い」を開き、対象者274人(男女各137)のうち、212人が出席。晴れやかな表情で同級生との再会を喜び合った。

「二十歳の成人証書」を受ける代表者=平戸文化センター

 黒田成彦市長が各中学校卒業生代表に「二十歳の成人証書」を授与。「夢を持ちチャレンジし続けてほしい」などと式辞を述べた。
 生月中出身の専門学校生、神田千佳子さんが「平戸生まれの誇り、成人としての決意を持って精進する」、南部中出身の大学生、村上颯汰さんが「今、自分ができることを頑張り、後悔がないよう励みたい」とそれぞれ決意を述べた。
 開式前、市出身の大相撲幕内、平戸海関が「新型コロナウイルス禍の経験も人生の糧になる」などと語りかけるビデオメッセージが紹介された。式典後は、出身中学校ごとに記念撮影をし、談笑を楽しんだ。

◎人生の通過点/島原

 島原市は、城内1丁目の島原文化会館で「故郷しまばら二十歳の集い」を開き、対象者445人(男244、女201)のうち約300人が出席。大人の誓いを新たにした。

決意を述べる実行委員長の村田さん=島原文化会館

 本年度に19~21歳を迎える地元出身者や青年団員計20人でつくる同実行委が主催。
 実行委員長を務めた長崎大教育学部2年の村田翔平さん(20)は「人生の通過点を無事に迎えることができた。愛情深く大切に育ててくれた家族、助け合い励まし合った仲間たちに感謝したい」とあいさつ。「採用試験に合格し、ふるさと島原の発展のため教員の立場から尽力したい」と決意の言葉を述べた。
 古川隆三郎市長は「新型コロナなど時代が大きな転換点を迎えている。変化を恐れず、ピンチをチャンスへと変え、自らの未来をつくっていってほしい」と祝辞を述べた。

◎人に寄り添う/東彼杵

 東彼東彼杵町は彼杵宿郷の町総合会館で「二十歳を祝う会」を開き、69人(男42、女27)のうち約50人が出席した。
 岡田伊一郎町長は「みなさんが抱いている夢や希望を志に変えて、未来に向かって進んで」と激励した。

代表で誓いを述べる松添さん=東彼杵町総合会館

 代表の大学生、松添百花さんは薬剤師を目指し、勉学に励んでいることを報告。「医療従事者として、人に手を差し伸べ、ぬくもりを与えられる人間でありたい。私がこう思えるのは、東彼杵町で受けた人々の温かさや愛情ゆえに生まれた」と古里への感謝を述べた。

◎感謝を忘れず/対馬

 対馬市は峰町のシャインドームみねで「二十歳を祝う会」を開き、対象者298人(男145、女153)のうち、211人が出席した。

二十歳証書を比田勝市長(手前)から受け取る出席者=対馬市、シャインドームみね

 比田勝尚喜市長は「古里への愛着と誇りを持ち続け、自信満々に自分らしい生き方をご家族に見せてください」と式辞。「二十歳の誓い」では、上県町の消防士、佐護直喜さんが「ありがとうの気持ちを忘れず、縁やつながりを一生の宝物にしていきたい」と力強く述べた。
 比田勝市長から二十歳証書を受けた厳原町出身で長崎市の大学生、河本琳子さんは「二十歳の実感が改めて湧き、責任を感じた。誰かに頼られる大人の女性になりたい」と話した。

◎古里に恩返し/波佐見

 東彼波佐見町は折敷瀬郷の町総合文化会館で開き、143人(男81、女62)のうち104人が出席した。

出身小学校別に写真に納まる出席者=波佐見町総合文化会館

 前川芳徳町長は「贈る言葉は『今を大事に生きる』。(ボールが線上に残り勝ち越しゴールにつながったサッカーW杯での)『三笘の1ミリ』のように最後まで諦めないで」とあいさつ。
 代表の県立大2年、平尾海翔さんは学生生活で壁に突き当たることもあるが、古里の波佐見には友人や家族、風景など「大好き」が詰まっていると回想。「少しずつではあるが古里に恩返しをしたい」と述べた。
 式典後は、同窓会の代わりに抽選会を開き、当選者が登壇する度に歓声が上がった。


© 株式会社長崎新聞社