国宝の講堂で高校生ら論語高らか 旧閑谷学校「読初の儀」に60人

国宝の講堂で論語を読み上げる参加者たち

 国特別史跡・旧閑谷学校(備前市閑谷)で4日、学び初めの行事「読初(よみはじめ)の儀」が開かれ、地元の高校生ら約60人が国宝の講堂で論語を高らかに読み上げ、新年の決意を新たにした。

 参加者は、聖廟(せいびょう)に祭られた儒学の祖・孔子の像に拝礼した後、講堂に移動して正座。凜(りん)として厳かな雰囲気が漂う中、県青少年教育センター閑谷学校(同所)の香山真一所長に続き、「孝弟(こうてい)は、其(そ)れ仁を為(な)すの本(もと)か」(目上の人を敬うことは、人格の完成を目指す根本と言える)など、4章句を声をそろえて読み上げた。

 香山所長から文意の説明を受けた後、「リーダーシップを発揮する」「本をたくさん読みたい」といった新年の目標を発表。備前緑陽高2年の男子生徒(16)は「論語の『小人(しょうじん)の過つや必ず文(かざ)る』を胸に刻み、ミスをしても言い訳することなく、正直に学校生活を過ごせるようにする」と話していた。

 読初の儀は、江戸時代に始まった行事。明治以降に途絶えていたが、2005年に特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会が復活させた。

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