越前市で有機栽培ブドウを使ったワイナリー開業 福井県内最大規模、風土生かした自然派ワイン醸造

福井県越前市白山地区のブドウを原料に自然派ワインを醸造するワイナリーの開所式=1月7日、同市葛岡町

 福井県越前市白山地区で栽培するブドウを原料にしたワイン製造に向け、エイティーンスコーポレーション(本社同市)が整備した県内最大規模のワイナリー「シックス・スリー・エステート・ワイナリー」が1月7日、同市葛岡町で開業した。有機栽培のブドウによる自然派ワインを自社醸造し、新年度から販売する。ワインを通じた越前市の風土や食文化の発信を目指す。

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 金属加工などの同社による新規事業で、西野恒樹会長らが県の研修講座「ふくいワインカレッジ」を受講し、開業準備を進めていた。同講座の修了生による初の開業で、県内2カ所目のワイナリーとなる。

 白山地区の耕作放棄地を活用して21年にブドウ栽培に着手しており、農地2.2ヘクタールを確保。ピノノワールやシャルドネなど西欧品種を有機栽培し、無添加・無ろ過で素材を生かす自然派ワインの醸造に取り組む。

 市内企業から借り受けた倉庫を改修したワイナリーは建築面積739平方メートル。醸造タンクや搾り機、充填機などを備え、初年度は飲食店向けを中心に750ミリリットル3万本分を製造。将来的には県内最大規模となる年間10万本分に拡大する。北陸新幹線越前たけふ駅を臨む立地で、敷地内では地場産食材を使ったレストラン開業を予定しており、観光客の受け入れを図る。

 この日の開所式は、櫻本宏副知事ら来賓や関係者約50人が出席し、初仕込みの作業が行われた。西野会長は「越前の魅力を体感できるワイナリー運営を目指したい」と意欲を示した。

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