岡山城や小早川秀秋モチーフの器 陶芸家・田川さん、岡山で作品展

小早川秀秋を描いたマグカップや岡山城を絵付けした大皿

 岡山城や城主・小早川秀秋(1582~1602年)を描いた器の作品展が、岡山市北区出石町のアートスペース油亀で開かれている。陶芸家の田川亜希さん(44)=東京=が、秀秋に目を向けてもらおうと制作した。15日まで。

 展示の目玉は秀秋の姿を描いた黒のマグカップ7種類。着物や甲冑(かっちゅう)に身を包み、幼い顔立ちや戦中の険しい表情を見せる。

 田川さんが作品展に先立って来岡した際、秀秋の菩提寺(ぼだいじ)・瑞雲寺(岡山市北区番町)を視察。関ケ原の戦いでの“裏切り者”というイメージが原因で「他の岡山城主に比べて、不遇な扱いを受けている」と感じ、モチーフに選んだという。

 作品展には平皿や花器約600点を出品。岡山にちなみ、江戸期に岡山城下で花見をする人たちを絵付けした大皿や、昔話・桃太郎のぐい飲みも仕上げた。他にナポレオンやフランシスコ・ザビエルら世界の偉人を描いたコップなどがある。

 田川さんは「岡山城がリニューアルオープンしたばかりで、絶好のタイミングでの展示となった。多くの人が秀秋に関心を持ち、掘り下げるきっかけになれば」と話す。

 午前11時~午後7時。8日は作家在廊。

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