栃木県警の警官2人がパワハラ 部下暴行でけが、全裸撮影も

栃木県警本部

 栃木県警機動警察隊の男性警察官2人が、昨年10月の国体警備の慰労会を兼ねた飲み会で、10人近くの男性部下に対し、それぞれ暴行を加えたり、全裸にして写真撮影したりした疑いがあることが11日までに、県警関係者への取材で分かった。1人は頭部にけがをした。県警はパワーハラスメント事案として調査するとともに、暴行容疑などでの立件の可能性も含めて捜査している。

 関係者によると、暴行したのは、いずれも30代の警部補と巡査部長。昨年10月中旬、宇都宮市内の飲食店で開かれた飲み会で、暴言や暴行を繰り返した疑いが持たれている。

 2人はそれぞれ、隊員1人のTシャツを引き裂いた後、全裸にさせて写真撮影したり、手や楽器で殴打したり、顔に膝蹴りしたりしたとみられる。巡査部長に殴られた1人は頭部打撲のけがを負ったという。

 飲み会は夕方から深夜まで二つの店で開かれ、十数人が参加していた。参加者の中では警部補の階級が最も上だった。昨年10月、被害者の1人が申告して、明らかになった。

 県警はパワーハラスメントの疑いがある事案として調査を開始。立件の可能性も含めて当時の詳しい状況を捜査している。

 機動警察隊はパトカーによる巡回で事件・事故の初動活動や交通の指導取り締まりなどを行っている。42年ぶりに栃木県で開かれた「いちご一会とちぎ国体」では会場周辺の警備業務などを担当するなどしていた。

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