コロナ感染「レベル3」引き上げ 岡山県「第8波」拡大で医療逼迫

新型コロナ感染状況を「レベル3(医療負荷増大期)」に引き上げた岡山県の対策本部会議=県庁

 岡山県は12日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、流行「第8波」の拡大で県内の医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しているとして、感染状況に関する4段階のレベル分類を2番目に深刻なレベル3(医療負荷増大期)に引き上げた。県民に対して医療の負荷軽減につながる行動を求める「緊急のお願い」を出し、抗原検査キットでの自己チェックや平日日中の受診などを要請した。

 県は政府方針を受けて昨年11月にレベル分類を見直して以降、レベル2(感染拡大初期)を維持しており、引き上げは初めて。緊急のお願いでは、13~64歳で重症化リスクの低い人は検査キットでのセルフチェック▽可能な限り平日日中に受診▽救急車と救急外来の利用は真に必要な場合のみ―の3点を盛り込んだ。

 県によると、県内の直近1週間(5~11日)の新規感染者数は2万6710人で前週(12月29日~1月4日)から7割以上増加。病床使用率は11日現在で70.8%に達し、レベル3への移行の目安(50%)を大きく超えている。

 事態を踏まえて県は県内のコロナ病床を11床増やして611床体制とするとともに、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)防止に向けた施設スタッフの集中検査を2月も継続することを決めた。

 一方、レベル3になると県の判断で外出自粛要請を含めた「対策強化宣言」を出せるようになっているが、「外出自粛が県民生活や経済に与えるダメージは甚大」として現時点では見送る方針を示した。

 伊原木隆太知事は対策本部会議で「医療への負荷が増大して通常医療にも影響が出ており、救える命を救えない状況になりつつある。県民に理解と協力を強くお願いする」と述べた。

© 株式会社山陽新聞社