インド税務当局、サムスンを273億円関税回避で起訴...重要拠点でトラブル

インドの税務当局が韓国のサムスン電子インド法人に対し、輸入関税を回避した疑いで起訴したことが分かった。

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インドメディア「エコノミックタイムズ(Economic Times)」の報道によると、インド税務情報局は最近、サムスン電子インド法人が172億8千万ルピー(約273億円)の輸入関税を納付していないとし、追徴課税することを通知した。ロイターもこれを引用し報じている。
インド税務情報局は、サムスンが基本関税の不当な免除を利用するために、リモートラジオヘッドというネットワーキング装置を誤った(関税)分類で申告し、輸入税を回避したと明らかにした。

規制当局は、サムスンインド法人である「サムスンインディア」と、装備分類のために雇用された「プライスウォーターハウスクーパース(PwC)」にも疎明資料提出通知文を送ったと明らかにした。(※疎明資料とは本人以外の方が交付請求する場合の請求事由について客観的に確認することができる資料のこと)

Samsung India

これに対してサムスン電子インド法人は「税紛争に関連するインド政府告示について検討している」と明らかにしたという。

サムスンはインドで確固たる地盤を築いており、2011年から2017年まで同国スマートフォン市場でシェア1位を占め、その後中国メーカーの追い上げで3位に陥落するも、現地での反中感情の高揚もあり、昨年第二四半期にはシャオミと並び再び1位(シェア18%)に浮上している。(※カウンターポイント調べ)

サムスンは2018年にインド・ノイダに世界最大規模の携帯電話用工場を建設した。同工場では年間1億2千万台の携帯電話が生産可能とされる。

インドはベトナムと並んでサムスンの重要な海外生産基地であると同時に、中国市場に匹敵する巨大マーケットとして同社の重要拠点となっているが、今回の起訴は少なからず影響を与えるかもしれない。

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