氷瀑人気で路駐が問題に 奥日光の赤沼駐車場を試験開放 「地元の方々も困っている」

試験開放している赤沼駐車場

 冬の奥日光を訪れる人の利便性向上などを図るため、栃木県はこれまで冬季閉鎖していた県営赤沼駐車場の開放を試験的に始めた。期間は2月12日まで。庵(いおり)滝の氷瀑など戦場ケ原を訪れる人が増え同所周辺では近年、路上駐車などが問題となっていた。県県西環境森林事務所の担当者は「今後の検討材料としてまずは試験的に実施した。地元の方々も困っているので、路上駐車は絶対せずにマナー良く駐車場を利用してほしい」と話している。

 赤沼駐車場は1993年、低公害バスの利用拠点として整備された。バスは、ラムサール条約に登録されマイカーの乗り入れが禁止されている奥日光の湿原周辺を走るが、冬季は運休となっており駐車場も閉鎖している。

 同事務所や地元関係者によると、小田代原北西に位置する庵滝の氷瀑などを見るために、新型コロナウイルス禍前から冬季に戦場ケ原を訪れる人が増えているという。

 付近には三本松園地の駐車場があるものの、戦場ケ原の入り口により近い赤沼駐車場付近で路上駐車が多発している。近くの農場関係者や緊急車両などが通行しにくい状態になっているという。

 赤沼駐車場の開放は、地元関係者からの要望なども踏まえ7日から試験的に実施している。県は除雪を行い、70〜80台分のスペースを確保した。試験開放中は利用状況やトラブルがないかなどを確認する。

 厳冬期の奥日光は危険を伴うため、同事務所の担当者は「天候が急変しやすい場所なので、初心者の方などはガイドを付けるなど安全に気を付けて訪れてほしい」と呼びかけている。

路上駐車禁止を呼びかける看板
試験開放している赤沼駐車場

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