太陽光、風力発電「促進区域」 長崎県基準4月適用 災害恐れの場所は除外

太陽光発電と風力発電施設の「促進区域」を設定する市町に向け県が定めた基準の概要

 長崎県環境審議会未来環境部会(部会長=渡邊貴史長崎大大学院水産・環境科学総合研究科教授)は23日、市町が脱炭素化のため太陽光発電と風力発電施設の導入に向け設定する「促進区域」の県の基準案を了承した。災害の恐れがある場所や自然や生物の多様性を保全するために重要な場所などを区域設定から除外するよう定めており、4月から適用される。
 促進区域は、2022年4月施行の改正地球温暖化対策推進法に基づき、市町村に設定の努力義務が課された。県地域環境課によると、本県は平地に乏しく、離島・半島が多いため、再生可能エネルギー施設の適地が少ない。
 基準案では、促進区域に設定できない場所は、砂防指定地や地滑り防止区域、県自然環境保全地域、史跡や名勝など。太陽光発電は保安林、風力発電は国立公園なども除外した。
 設定する場合に配慮すべき事項としては、騒音による生活環境への影響、水の濁りによる影響、土砂災害警戒区域などを盛り込んだ。太陽光発電は反射光、風力発電は風車の影による影響も配慮が必要とした。
 太陽光発電については、優先的に設定を推奨する区域を示した。エネルギーの需要地で大きな屋根や施設を有する学校や工場、商業施設などを例示したほか、廃校や公共遊休地、ゴルフ場跡地など「未利用地の有効利用は必須」としている。
 市町は4月以降、県の基準を踏まえ促進区域を設定することになる。


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