「お互いが選択肢になって」現役パラアスリート 山本恵理選手 大村で講演

「お互いが選択肢になってほしい」と話す山本選手=大村市コミュニティセンター

 日本財団パラスポーツサポートセンター主催の「あすチャレ!Academy」が21日、長崎県大村市幸町の市コミュニティセンターであり、現役パラアスリートでパワーリフティング女子55キロ級の山本恵理選手が講演。参加者約60人が共生社会について考えた。
 山本選手は先天性の二分脊椎のため車いすで生活。同センター職員としての仕事の傍ら、アスリートとして2024年のパリパラリンピックへの出場を目指している。
 講演で「障害とは何か」と来場者に問いかけた山本選手。新型コロナ禍で自由に旅行や食事会などができなくなったことを例に挙げ、「障害とは自分に選択肢が少ないということで、皆さんが新型コロナで(不自由を)感じたことと同じ」と強調。「『何か手伝えることは?』と声をかけ合うなど、お互いがお互いの選択肢になることが大事。ぜひ(障害者との)コミュニケーションを活発にしてほしい」と呼びかけた。
 視覚や聴覚に障害がある人とのコミュニケーションの取り方や山本選手への質問コーナーなどもあり、参加者はメモを取るなど熱心に聞き入っていた。最後に山本選手は「パラリンピックでは本人もサポートする人も支え合わないとメダルは取れない。どちらか一方が助けるのではなく、協力し合える社会こそが共生社会だと思う」と述べた。


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