武家屋敷に溶け込むアート「デンケンウイーク神代」 雲仙・国見町

ダテさんから展示作品の説明を聞く境さん(右)=雲仙市国見町神代小路の武家屋敷「永松邸」

 雲仙市国見町の神代小路地区で28日から2月5日まで、武家屋敷や古民家でアート作品を展示販売するイベント「DENKEN WEEK KOJIRO(デンケンウイーク神代)」が初めて開かれる。主催者の境研伍さん(38)=同町=は「武家町とアート作品には親和性がある。鑑賞をきっかけに神代小路を知ってほしい」と意気込む。
 神代小路は、全国126カ所の国選定の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)の一つ。江戸時代は旧佐賀藩の飛び地の所領で、今も武家屋敷や古民家が建ち並び、住民が静かなたたずまいを守り続けている。
 デンケンウイークは伝建地区の魅力を伝えるイベントで、これまでに鹿児島や宮崎県で開かれている。神代小路では境さんが代表を務める国見町のまちづくり会社「patina(パティーナ)」が主催。
 境さんは神代小路の活性化のきっかけづくりをしようと武家屋敷を改修し、2021年5月に一棟貸しの宿「TOKITOKI(トキトキ)」を開設。今回のウイークでは「作品展示を手始めに、作家が移住とまではいかなくても空き家をアトリエにするなどして、静かな雰囲気を残しながら交流が広がっていけばいい」と期待感を示す。
 会場は武家屋敷「永松邸」や神代小路まちなみ交流館など6カ所で、東彼波佐見町の陶芸家中川紀夫さんと都築明さんの器、フランスのポスター画家レイモン・サビニャックのリトグラフのほか、本県出身の写真家、画家、家具作家らの作品を展示する。
 27日は作品の搬入があった。永松邸に展示するイラストレーター、ダテユウイチさん(33)=福岡市=は「武家屋敷での展示は新鮮な気持ちになる。和室に合うようにモノクロの哀愁ある作品をそろえた」と話した。
 同ウイークに合わせ、神代商店街では飲食や雑貨を販売する「フェス」(29日)と「プチマルシェ」(2月5日)が開かれる。
 同ウイークの展示は午前10時~午後4時。参加費500円(高校生以下無料)。問い合わせは境さん(電090.9762.3525)。

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