「ポゼッションの土台構築」V長崎 沖縄1次キャンプ終了 J1札幌とトレーニングマッチ

28日、J1札幌とのトレーニングマッチでヘディングシュートを打つV長崎のフアンマ(中央)=沖縄県金武町陸上競技場

 17日にスタートしたV・ファーレン長崎の沖縄1次キャンプが28日、終了した。昨季途中に就任したカリーレ監督の下での初めてのキャンプ。戦術練習を一から行い、ポゼッションサッカーの土台を築いた。最終日はトレーニングマッチで大量得点を挙げるなど、上々の成果を得た。

■積み上げ実感 
 「選手間の距離が良くなって、スムーズに持ち運べるようになった」
 キャンプ最終日の28日、J1札幌とのトレーニングマッチを終えて、主将のDF米田の表情は明るかった。
 45分×3本で実施した札幌戦は、5-2(0-1、3-1、2-0)と尻上がりに調子を上げた。2本目の17分、FWフアンマのお膳立てから大卒ルーキーのMF瀬畠がゴールネットを揺らすと、そこからは前線のワンタッチパスが機能してゴールラッシュ。フアンマ、MF笠柳、MF加藤大、FW都倉と新旧メンバーが次々に決め、大勝で沖縄キャンプを打ち上げた。
 11泊12日のキャンプ中、ビルドアップの形や守備のスイッチを入れるタイミングを念入りに落とし込んだだけあって、非公開も含めたトレーニングマッチ3戦で、選手たちはその積み上げを実感。加入2年目のDF櫛引が「昨年より攻撃のパターンが増えた」と振り返ったように、第2戦のJ2仙台戦(0-1)でボール保持の手応えを得ると、第3戦は数字の面でも結果を出した。
 昨季、夏以降にけが人が続いた反省を踏まえ、フィジカル系コーチを1人増員。故障をしないための筋力トレーニングにも力を入れている。

■新戦力が融合 
 新加入選手が11人と全体の3分の1を占めており、ミーティングでは映像やパワーポイントを用いて指揮官が掲げるサッカーの把握に努めた。新加入のMF増山からは「チーム、監督のコンセプトを理解してイメージの共有ができている」という声が聞かれた。選手同士も早く互いを理解しようと積極的に対話。笑顔が絶えず、良好なチーム状態がうかがえた。
 2月18日の開幕まで3週間を切り、チームは2次キャンプ地の宮崎へ直行。実戦練習をメインにさらに戦術理解を深めていく。


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