「寒いのによう来たね」年の市にぎわい戻る 福井県勝山市の冬の風物詩、木工品や伝統食販売

3年ぶりに開かれ、大勢の買い物客でにぎわった「勝山年の市」=1月29日、福井県勝山市本町1丁目

 福井県勝山市の冬の風物詩「勝山年の市」が1月29日、同市本町1、2丁目の本町通りで3年ぶりに開かれた。市内を中心に42店が軒を連ね、木工品や地域伝統の加工食品などを販売。時折雪が降る中、大勢の買い物客でにぎわいを見せた。

 約350メートルの通りには、まな板などの日用品や、勝山伝統のかき餅など食品の販売ブースがずらり。キッチンカーや露天商の屋台も並び、活気にあふれた。「いらっしゃいませ」「寒いのによう来たね」。元気のいい呼び込みの声に誘われ、両手に抱えきれないほど商品を買い込む人の姿もあった。「むらの達人」によるござ帽子づくりの実演や景品抽選会も行われた。

⇒【動画】強い甘みが特長の勝山水菜、おひたしがお勧め 福井県勝山市の伝統野菜

 福井市から訪れた男性(70)は「伝統的な品物が並んでいるし、地元の人たちが触れ合っている雰囲気がとてもいい。今後も続けてもらいたい」と話していた。

 年の市は18世紀中ごろに、農家らが副業で作った生活用品などを売り出したのが始まり。現在は例年1月の最終日曜に行われているが、2021、22年は新型コロナウイルス禍で中止となった。

© 株式会社福井新聞社