FA市場に残り続ける右腕ワカ 昨季11勝も2年契約希望がネックか

ほとんどの有力選手がフリーエージェント(FA)市場から姿を消すなか、昨季レッドソックスで復活を遂げ、5年ぶりの2ケタ勝利をマークしたマイケル・ワカがまだ市場に残っている。「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者によると、ワカは2年契約を希望しているとみられるが、これがなかなか契約が決まらない原因となっているようだ。スプリング・トレーニングの開始が迫っており、ワカはオプション付きの1年契約など、最終的には妥協を強いられることになるかもしれない。

現在31歳のワカは2012年ドラフト1巡目(全体19位)指名を受けてカージナルスに入団。2013年にメジャーデビューを果たすと、いきなり同年のリーグ優勝決定シリーズでMVPに輝く活躍を見せ、2015年には17勝7敗、防御率3.38という自己最高の成績を残し、オールスター・ゲームに初選出された。その後、2017年にも12勝を挙げたが、規定投球回をクリアしたのはこの年が最後。2018年以降は毎年故障で戦列を離れており、昨季も5年ぶりの2ケタ勝利をマークしたとはいえ、投球イニングは127回1/3に過ぎなかった。

移籍情報を扱う「MLBトレード・ルーマーズ」によると、これまでにワカへの関心が報じられたのはツインズとオリオールズの2球団だけ。ただし、ツインズはパブロ・ロペス、オリオールズはカイル・ギブソンとコール・アービンを獲得するなど、ワカ以外の方法で先発投手の補強を進めている。同サイトはワカがフィットする球団としてレッドソックスやエンゼルスを挙げているが、この2球団がワカに関心を示しているかどうかは不明だ。

2019~21年の3シーズンは合計66試合(うち54先発)で10勝16敗、防御率5.11と結果を残せず、昨季も防御率3.32に対してFIP4.14と投球内容自体は平凡だったワカ。2年契約を諦めれば、より多くの球団からの関心を得られる可能性もあり、すでに各球団が補強を完了しつつある状況を考えると、1年契約で好成績を残し、来オフに改めて複数年契約を目指すのが最適解ということになりそうだ。

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