本紙に新聞労連特別賞を授与 復帰50年紙面 「不条理問い続ける」 新聞労連ジャーナリズム大賞

 【東京】新聞労連は31日、平和・民主主義の確立や言論・報道の自由などに貢献した記事に贈る、第27回新聞労連ジャーナリズム大賞の表彰式を東京都内で開き、「沖縄の日本復帰50年特別号」で特別賞を受賞した琉球新報社を表彰した。

 沖縄の日本復帰50年の節目である2022年5月15日朝刊のラッピング紙面で「変わらぬ基地 続く苦悩」と復帰当時の1972年5月15日付紙面と同じ見出しを掲げ、基地の整理縮小が進まない現状を伝えた本紙の報道姿勢が評価された。

 選考委員で元毎日新聞記者の臺宏士(だいひろし)さんは「沖縄の日本復帰50年の意味を俳句のような短い表現で伝えた」と受賞理由を述べた。斎藤学東京支社報道グループ部長は、本紙整理部記者だった故近田洋一さんが復帰時の紙面を手掛けたことを紹介し「晴れがましくも憂鬱(ゆううつ)な県民の気持ちを表現した先輩の仕事が、再び日の目を見たことが喜ばしい。これからも沖縄が直面する不条理、理不尽を問い続けていきたい」と語った。

 (安里洋輔)

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