使い古した針に感謝 裁縫精進誓う 岡山・徳与寺で「針供養」

針をこんにゃくなどに刺して労をねぎらう参拝者

 使い古した裁縫用の針を軟らかい物に刺し、ねぎらいや感謝の気持ちを示す「針供養」が8日、岡山市中区徳吉町の徳与寺であった。

 祭壇を設けた針塚前で宮里彰浩住職(48)が読経。着物姿の服飾関係者らが、折れたり曲がったりした縫い針やまち針を持ち寄り、祭壇に置かれたこんにゃくと豆腐に刺して焼香し、静かに手を合わせた。

 ミシン針など30本ほどを持参した洋服店経営の男性(51)=同市北区=は「よく働いてくれてありがとうという気持ち。これからも良い商品を作りたい」と精進を誓っていた。

 寺では、裁縫など技芸や女性の守り神とされる「淡嶋(あわしま)大明神」を祭る。針供養は、日本和裁士会県支部が1977年2月8日に針塚を建てて以来、毎年行われている。

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