岡山大文明動態学研究所(岡山市北区津島中)による第1回特別展「津島から世界へ、世界から津島へ」が10日、同駅元町の岡山シティミュージアムで始まった。同大が拠点とする津島地区と、研究対象である世界の古代文明の歩みを並べてたどっている。
第1部は同大が40年間続ける津島岡大遺跡の発掘成果を披露。構内に広がる遺跡で出土した縄文~弥生時代の土器や水田跡、古代の条里制跡などを通じ、狩猟採集生活から農耕社会が発展する過程を紹介。近代に置かれた旧陸軍第17師団駐屯地にも触れ、繁栄から戦争にいたる約5千年間の人々の営みを約320点の遺物、写真で解説している。
第2部は中米に栄えた古代マヤ文明を取り上げた。巨大な石造建築や高度な天文学など独自に展開した文化を、神秘的な文字や絵柄が描かれた土器、土偶など約50点で概観。周辺文明との交流を通じて発達した歴史など、津島や古代吉備との“共通点”も指摘する。
同市中区の男性(70)は「自分たちの土地や世界がどうつくられてきたかを知り、今後を考えるのは大切ですね」と話していた。
同研究所は2021年発足。文明形成に関わる研究などを通じて、持続可能な社会構築の推進に取り組む。特別展は3月19日まで、月曜休館。入場無料。