九州文化学園高女子バレー部・井上監督 3月末で勇退 4月から西彼杵高で指導

九州文化学園高女子バレーボール部を15度の日本一に導き、4月から西彼杵高で指揮を執る井上監督=島原市、島原復興アリーナ

 全国優勝15回を誇る九州文化学園高(長崎県佐世保市)女子バレーボール部の井上博明監督が3月末で退任して、4月から西彼杵高(西海市)女子バレーボール部の外部監督に就任することが決まった。西海市は近年、市内の学校や地域の活性化を目的にスポーツ振興に力を入れており、65歳で定年退職する井上監督に打診して承諾された。
 南島原市出身の井上監督は福岡大大濠高、日体大卒業後、1980年に九州文化学園高の監督に就任。無名のチームを全国屈指の強豪校に育て、89年のインターハイ初優勝以降、全日本高校選手権(春高)、国体を含めて日本一15回、準優勝11回の実績を持つ。43年間チームを率いて今年1月の春高にも出場した。
 九州文化学園高退任については、既に選手や保護者らに説明している。九州文化学園高サイドは現1、2年生部員に関して本人たちの思いや将来を重視。安部直樹理事長は「生徒の考え方を尊重するのが一番で井上監督やバレー部は学校の宝。功績に深く感謝し、できる限りの応援、協力をしていきたい」と話した。
 西海市では高校野球の指導で実績があり、市職員として中途採用された清水央彦氏が2018年に大崎高野球部の外部監督に就任。21年春に市内の高校では初の甲子園出場を果たした例がある。
 新天地で指導を続ける井上監督は「いろんな人の心を感じられて、とてもありがたい話。“心のバレー”をさらに進化させていければ」と感謝と意気込みを語った。


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