手術明けの首相、論点ずらし野党追及くみせず 予算委の答弁乗り切り

衆院予算委で、マスク姿で答弁する岸田文雄首相=15日午後

 岸田文雄首相は15日の衆院予算委員会に出席し、鼻の日帰り手術明けで初めての国会答弁に立った。野党は平成生まれの議員を質問に送り込むなど攻勢をかけたが、首相は「さまざま議論がある」「しっかり見極めたい」などと論点をずらしてかわした。「所管外」と繰り返して批判を浴びた河野太郎デジタル相(15区)も一般論を交えて長めに答弁するなど、閣内を上げて野党に攻め手を与えず乗り切った。

 岸田首相はマスクを着用したまま答弁。「NHKの生中継が行われている中で病み上がりの総理に何かあったら大変」(自民幹部)と与党席には緊迫感が漂った。厳しい質問に「少しは配慮しろ」とヤジを飛ばすと、野党席は「(総理に)媚(こ)びてんのか」と応戦。枝野幸男前代表ら5人が質問に立った立憲民主党の質疑では特に激しい応酬が続いた。

 平成生まれ30歳の馬場雄基氏は予算案を引き「防衛費は1.4兆円増だが子ども関係予算は0.1兆円しか増えない。何を重視しているのか明白だ」と指摘。首相の「二者択一ではない。どちらも重要だ」との反論には「だから数字で示せ」と怒号が上がった。

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