「ろう者の世界の音楽」表現 映画作家が瑞宝太鼓演出 23日 大村で公演

公演のPRの手話動画を収録する牧原さん(右)と瑞宝太鼓の団員=雲仙市瑞穂町

 雲仙市瑞穂町を拠点に活動する知的障害者のプロ和太鼓グループ「瑞宝太鼓」は、聴覚に障害がある映画作家、牧原依里さん(36)演出の公演「MUSE(ミュゼ)」を23日、大村市のシーハットおおむら・さくらホールで開く。「ろう者の世界の音楽」を太鼓で表現する実験的なステージで、団員6人が試行錯誤しながら練習に励んでいる。
 文化庁の日本博主催・共催型プロジェクト。東京で活動する牧原さんは、ろう者の音楽をテーマにしたアートドキュメンタリー「LISTEN リッスン」(2016年制作、第20回文化庁メディア芸術祭のアート部門審査員推薦作品)の共同監督の一人。
 牧原さんは1月上旬に2泊3日の日程で、瑞宝太鼓の稽古場を訪れ、団員と一緒に演出内容を決めた。「演奏の振動や演者の気迫など、瑞宝太鼓ならではの魅力を実験的なアプローチで引き出し、ろう者が見ている世界の音楽を表現したい」と意気込む。
 演出内容は非公表。牧原さんと団員が手話で公演をPRする動画を、瑞宝太鼓のフェイスブックとユーチューブで公開している。
 23日午後2時開演、同3時10分から団員と牧原さんのトークがある。手話通訳や文字サポート、音声ガイドがある。自由席。料金は一般2千円、小中高生と障害者千円。介助者は無料。問い合わせは瑞宝太鼓事務局(電0957.77.3934)。


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