全国初、大学4年の春に内定 横浜市の小学校教員採用試験 早期「囲い込み」に拍車

横浜市教育委員会

 横浜市教育委員会は2023年度に実施する小学校教員採用試験から、大学3年生を対象とした特別選考を始める。大学が推薦する成績優秀者が対象で、3年次に受験して4年の春に内定を出す選考は全国初という。全国的に教員志願者は減少傾向で、試験日程の前倒しで優秀な人材の確保を狙う。

 東京都と相模原市は23年度採用試験から、大学3年生でも1次試験の一部の受験を可能とする方針を表明。教員不足が深刻化する中、早期の「囲い込み」に拍車がかかっている。

 市教委によると、対象者は書類選考の上で1次試験を免除され、7月から9月にかけて2次試験(個人面接、模擬授業、論文試験)を受ける。10月の合格発表後、大学3年次の成績審査を経た上で24年4月に内定が出る。採用時期は25年4月で、募集人員などについては23年3月中旬に公表予定。不合格の場合でも翌年度の大学推薦特別選考や一般選考などの試験を受験できる。

 市教委は大学が推薦する4年生を対象とした特別選考を既に実施しており、教職員人事課は今回の新設について「民間と比べて試験日程が遅いことなどを理由に教員になることを諦めることのないよう、受験機会を広げることが目的」と説明する。

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