長崎ヴェルカ3連勝 熊本に83―69 バスケットB2

【長崎-熊本】第2クオーター9分、ゴール下に切り込むヴェルカの小針(左)=県立総合体育館

 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)第22節第1日は18日、長崎市の県立総合体育館などで6試合が行われ、西地区2位の長崎ヴェルカは3位熊本を83-69で下した。ヴェルカは3連勝で通算27勝13敗。同地区で首位の佐賀も奈良を1点差で退けたため、ゲーム差は変わらなかった。
 ヴェルカは21-18で入った第2クオーターに髙比良のドライブなどで熊本のファウルトラブルを誘い、フリースローで着実にリードを広げた。終盤はアギラールの連続シュートもあり、41-34で後半へ。第3クオーター以降も走力で相手を上回り、狩俣、榎田らの堅守から何本も速攻を仕掛けた。
 ヴェルカはチームで最も3点シュート試投数の多いヘディングがフィリピン代表の試合で不在だったものの、要所で髙比良らが外角シュートを決め、リズムをつくった。第4クオーターは相手の外国人選手に押し込まれる時間帯もあったが、リバウンドで競り勝って2次攻撃を防いだ。
 第2日は19日、同体育館などで6試合を実施。ヴェルカは熊本との2戦目に臨む。

◎小針、自慢のスピード披露

 西地区3位の熊本との大事な一戦。社会人チームからヴェルカに移籍してきた“ルーキー”が自慢のスピードを披露した。小学時代からガード一筋の小針。5分8秒の出場でしっかりと役割を果たした23歳は「自分の良さを生かせた部分もあったが、もっと得点にこだわっていきたい」と慢心はなかった。
 デビュー戦となった4日のホームA千葉戦は、出場して早々にけが。鼻の骨にひびが入り、何もできないまま終わった。リベンジを誓って迎えたこの日のホーム戦。フェースガードを着けてコートに立つと、第2クオーター終了間際に鋭いドライブからアギラールのダンクシュートをお膳立てし、最高の形で前半を締めくくってみせた。
 昨春、主将を務めた神奈川大を卒業し、強豪のJR東日本秋田へ入社。高校、大学で実績のある選手がそろうチームでも実力を示し、徐々にプロへの思いが強くなった。悩んでいた中で届いたヴェルカからのオファー。「もっとやれる、今しかない」。北から南へ、覚悟を持って長崎行きを決意した。
 60試合あるシーズンも40試合を消化。成熟してきたチームへの途中加入でも「ドライブが武器だから、ほかの選手がスペースをつくってくれる。自分の良さをみんなで出そうとしてくれるから、プレーに迷いはない」。全てをバスケットに注げる今に感謝しながら、期待の新戦力がヴェルカを加速させる。


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