「想像以上」漂着ごみ4トン回収 備前の島「ゼロ作戦」に100人

鹿久居島の海岸に漂着した海ごみを拾い集める参加者

 陸から行けない島の浜にたまった海ごみを回収しようと、備前市の一般社団法人「みんなでびぜん」は19日、同市日生町、鹿久居島で「瀬戸内海 海洋ごみゼロ作戦」と題した清掃活動を行った。小雨の中、参加した約100人は浜辺に散乱した生活ごみやタイヤなどを拾い集め、約4トンを回収。島の景観の回復に努めた。

 同島の大浜は崖に囲まれ、樹木に覆われているため人の手が入らず、カキいかだに使う筒状の発泡スチロールやタイヤのほか、空き缶やペットボトルなど波に打ち寄せられたごみが漂着していた。

 この日は岡山県内外の親子連れや清掃グループ、環太平洋大のサッカー部員らが船で上陸。かっぱと軍手を着け、300メートルにわたってごみを一つずつ集めた。市職員らが分別し、事前に他の浜で集めたものと合わせて船へ積み込んだ。

 岡山市北区、女性(48)は「ごみの量が想像以上で驚いた。捨てないことが大切だと改めて感じた」、小学6年生の長男(12)は「今後も参加して、きれいな海を守りたい」と話した。

 清掃は、岡山、広島、香川、愛媛の4県と日本財団(東京)でつくる瀬戸内オーシャンズX推進協議会の助成を受け実施。みんなでびぜんは9月まで備前市の他の島や笠岡諸島でも清掃活動を予定しており、船橋美可代表理事(68)は「海ごみの多くは陸から出ている。ごみを捨てない意識を持ってほしい」と語った。

鹿久居島の海岸に漂着した海ごみを拾い集める参加者

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