「異常事態…まずは神社の名誉と信頼回復を」 後任宮司に吉村氏 長崎・諏訪神社

 諏訪神社(長崎市上西山町)の責任役員は24日、同神社の後任宮司として、新上五島町奈摩郷の政彦神社宮司、吉村政德氏(74)を神社本庁(東京)に具申すると発表した。責任役員の代理人弁護士によると、早ければ3月中旬ごろ、正式に任命される見通し。
 吉村氏は同町出身。国学院大卒。1975年に県神社庁に奉職。2000~04年に旧上五島町の教育長、10~22年、県神社庁副庁長を務めた。00年から現職。
 本紙の取材に「現在の諏訪神社はまさに異常事態」とし、「就任後は早期の正常化に向けて、あらゆる努力をしていくが、まずは神社の名誉と信頼回復、職員組織の立て直しに全精力を傾けなければと思っている」とコメントした。
 23日の責任役員会で全会一致で決定。24日、県神社庁を通じて神社本庁に具申書を提出し、氏子の代表者である常任総代にも報告したという。同神社の秋の大祭「長崎くんち」の奉納踊り開催については、新宮司就任後に正式決定する。
 諏訪神社を巡っては、12日に池田剛康宮司が死去。その後、権禰宜(ごんねぎ)7人らが辞職届を提出し、現在は禰宜2人が実務を担うなど運営に支障が出ている。責任役員の代理人弁護士によると、正常化に向け県神社庁などが「できる範囲で協力する」としているという。


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