髙原さん親子のめり込む「シジュウカラの子育て日記」 野鳥のたくましさ、詳細に解説

実際に使った巣箱を手に、リポートを紹介する久愼君=佐世保市、九十九島ビジターセンター

 佐世保市立中里小6年の髙原久愼(ひさよし)君(12)と母親の香織さん(39)が、野鳥「シジュウカラ」の子育てを観察、記録した内容をまとめたリポートが、同市鹿子前町の九十九島ビジターセンターで展示されている。5月16日まで。
 久愼君は野鳥のたくましさにひかれ、小学4年生の時から野鳥観察をするように。香織さんも久愼君の観察に同行するうちに興味を持つようになり、2人でのめり込んでいったという。
 久愼君は、市内でよく見られる野鳥「シジュウカラ」が入る巣穴サイズの巣箱を5年生の夏休みの宿題で制作。昨年3月、巣箱を自宅庭の木に設置すると、繁殖期の5月19日にシジュウカラが卵を産んでいるのに気付いた。巣箱の中に赤外線カメラを取り付け、5月20日から、ひなが巣立つ6月16日までケータイの専用アプリを使って香織さんと2人で映像を毎日確認、記録した。
 リポートはそれぞれが制作。ふ化するまでの親鳥の行動やひなが生まれてからの餌やりの回数、与える餌の種類、巣立つまでのひなの様子などを写真や表を添えて、分かりやすく詳細に解説している。
 香織さんは「息子と常に話し合いながら取り組んだのでより絆が強まった。今年も調査して今回の結果と比較したい」と声を弾ませる。久愼君は「子育てが終わった雌の姿はぼろぼろで、子どもへの愛情の深さを感じた。厳しい環境の中で頑張る野鳥や、そんな野鳥が暮らす自然の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と目を輝かせた。

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