V・ファーレン長崎 “お待たせ初白星” 宮城2発、熊本に快勝

【熊本-V長崎】前半18分、V長崎の宮城(中央)が先制ゴールを決めてガッツポーズ=熊本市、えがお健康スタジアム

 明治安田J2第5節最終日(19日・えがお健康スタジアムほか=10試合)V・ファーレン長崎は熊本に2-0で快勝し、今季初白星を挙げた。通算1勝2分け2敗で勝ち点5。前節の21位から16位に浮上した。
 V長崎は前半18分、敵陣でのインターセプトから右クロスを供給。宮城がワンタッチで相手をかわし、右足シュートで加入後初ゴールを決めた。宮城は33分にも米田のラストパスに抜け出したが、GKの頭上を狙ったループシュートはクロスバーを直撃。しかし、後半6分、都倉のヘディングシュートがバーに跳ね返ったところを頭で押し込み、この日2点目を挙げた。チームの守備も安定し、前節に続いて無失点で切り抜けた。
 青森山田高前監督の黒田監督が今季から率いている町田は、山形に3-0で快勝。勝ち点13で単独首位を守った。大分は千葉に2-1で競り勝ち得失点差で2位。水戸と引き分けた秋田が同11で3位に続いた。開幕4連敗していた金沢は山口に5-2で勝ち、最下位を脱した。
 第6節は25、26、29日、各地で計11試合を行う。V長崎は25日午後2時から、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で11位山形と対戦する。

◎前からプレスで主導権

 V長崎が長いトンネルを抜け出した。昨季連敗した熊本に2-0で快勝し、開幕5戦目で初白星。ロスタイム9分を全員でしのぎ、試合終了のホイッスルが鳴ると、主将の米田はピッチに倒れ込みながら拳を上げ、他の選手らは笑顔を見せた。やっとつかんだ勝ち点3にカリーレ監督は「いい準備をして、高い集中力を選手は保ってくれた。自信につなげたい」とホッとした表情を浮かべた。
 「意識を変えないといけない」。選手らは前節の栃木戦を終えた後に意見をぶつけ合い、練習からもがいた結果が勝利につながった。これまで守備は自陣に引いて守っていたが、前から圧力をかけ、球際で激しく体をぶつけた。先制点も敵陣でボールを奪って生まれた。
 その得点を呼び込んだのは今季、J1川崎から期限付き移籍で加入した21歳の宮城。前半18分、増山のクロスに得意の右足アウトサイドのトラップで相手をかわし、落ち着いて蹴り込んだ。これまで後半に入ると受け身に回っていたV長崎だったが、ゴールを狙う姿勢を崩さずに宮城が再びネットを揺らし、最後まで主導権を渡さなかった。
 昨年9月から続いたリーグ戦未勝利も「11」でストップ。その立役者は「きょう勝ったからといって次も勝てるわけではない」と気を引き締める。この1勝を浮上のきっかけにして、次節山形戦は昨年6月以来のホームでの歓喜をつかみに行く。


© 株式会社長崎新聞社