市税の入力ミスや口座振替放置、隠蔽も…不適正な事務処理168件 福井県鯖江市、課長補佐を停職1カ月の懲戒処分

職員の不適正な収納事務などについて記者会見で謝罪する福井県鯖江市の田畑雅人総務部長(中央)ら=3月31日、鯖江市役所

 福井県鯖江市は3月31日、収納課の50代男性の課長補佐が2021、22年度に市税の収納入力ミスや口座振替処理の放置など、計168件の不適正な収納事務処理をしていたと発表した。発覚を恐れ、隠蔽工作もしていた。市は地方公務員法の職務義務違反などに当たるとして、30日付で停職1カ月の懲戒処分とした。

 発覚したのは①軽自動車税のクレジットカード収納入力ミス4件(22年度)②債権差し押さえの税充当未処理2件(同)③市税の口座振替処理をしないまま放置8件(21年度)④上下水道料金の過誤納還付の未処理154件(同)。

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 市によると、今年2月、市内男性が収納課に固定資産税を納めに来た際、軽自動車税が未納になっていると職員が伝えた。男性は納付したと主張。職員が調べた結果、実際はクレジットカード払いで納付済みで、課長補佐の収納入力ミスが原因と分かった。他の業務も調べたところ不適正な事務処理が次々と発覚した。

 収納入力ミスや口座振替処理放置では、未納状態となった市民に督促状が行かないようにするなどして隠蔽。上下水道料金の二重納付など還付未処理と放置は昨春、事実を知った収納課長らが上司への報告を怠った。

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 市は管理監督責任を問い、収納課長を減給10分の1の1カ月、同課の参事2人を戒告の懲戒処分とした。処分はいずれも30日付。

 記者会見した田畑雅人総務部長らは謝罪。課長補佐が多忙などを理由に挙げたとする一方、業務量が多いとは思わないと説明した。再発防止策として二重チェックの強化などを図るとした。

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