国内初、福井県永平寺町の自動運転車「レベル4」クリア 自走困難時に安全停止、ドライバー必要なし

「レベル4」として認可された自動運転車(国土交通省提供)

 国土交通省は3月31日、福井県永平寺町で営業運行している自動運転車の新車両を、特定の条件下で運転者を必要としない「レベル4」として国内で初めて認可したと発表した。車両を運行しているまちづくり会社ZENコネクトが今後、県公安委員会に許可申請を行い、国内初のレベル4の営業運行に向け準備を進める。認可は30日付。

 永平寺町荒谷―永平寺門前間の片道約2キロで行われている「レベル3」の運行は、地面に引かれた電磁誘導線上を時速12キロで走行している。車両からの映像を確認し、自動運転が困難な場合は遠隔操作に切り替えられるようにしている。

 認可された新車両は産業技術総合研究所が、ヤマハ製電動カートを改造して新機能を追加。故障や天候の急変などで自動運転が困難になっても安全に停止し、遠隔操作も必要としないレベル4の基準をクリアした。

 永平寺町は2016年に国の実証地域公募に応じ、18年に自動運転車の走行を始め、21年3月からレベル3の無人運転を開始。現在まで事故はなく信頼性を高めてきた。町総合政策課の担当者は「一日も早くレベル4で運行できるよう、まちづくり会社を支援していきたい」と話した。現在の運行は日・祝日のみ。運賃は大人100円。中学生以下50円。

 特定の条件下でシステムが操作する「レベル4」の自動運転による車の移動サービスは、4月1日の改正道交法施行により解禁された。過疎地域での移動手段や配送業のドライバー不足解消につながることが期待される。

 改正法は限定地域での移動サービスを想定。車載カメラで遠隔監視し、事故時はサービス事業者が駆けつけることが求められる。事業者は車両や経路、監視体制をまとめた運行計画を都道府県公安委員会に提出し、許可を受ける。

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