大けがの船長を救助 西海市の夫妻に佐世保海保が感謝状

海に投げ出された負傷者を救助し、感謝状を受け取った川口さん夫妻=佐世保市干尽町、佐世保海保

 漁船とプレジャーボートが衝突し、海に投げ出された負傷者を救助したとして、佐世保海上保安部は、長崎県西海市西海町横瀬郷の川口照明さん(68)と弘美さん(63)夫妻に感謝状を贈った。夫妻は昨年7月にも船が座礁し船長がけがをした事故を目撃し118番通報。2度にわたり人命救助に貢献した。
 同海保などによると、衝突事故は2月12日午前9時50分ごろ発生。西海市西海町の寄船埼沖で漁船とプレジャーボートが衝突した。現場近くに住む夫妻は、趣味の釣りに出かけようと所有する船に乗り込み、出港準備をしていた。「『ドーン』と聞いた事のない音がした」と照明さん。
 これまでも人命救助に貢献したことがある夫妻は、地域住民も頼る存在。事故に気づいた住民から照明さんの携帯に電話が殺到した。2人は船で現場に急行。漁船の船長が首もとまで海に漬かり、船にしがみついていた。足には大けがを負っていた。
 弘美さんは漁船に乗り移り、プレジャーボートの船長と一緒に救助。照明さんは船の端を手でつかみ、ボートが浅瀬に乗り上げないようにした。男性はその後、快方に向かっているという。
 感謝状を受け取った照明さんは「(事故を見たら)知らんぷりできない。助かって良かった」。弘美さんは「とっさに『早く行かないと』と思った。元気になってもらいたい」とほほ笑んだ。

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