賃上げ 30年ぶり9000円超 連合長崎が今春闘集計 中小の平均は4500円台

連合長崎賃上げ集計推移

 連合長崎は10日、今春闘の第1回賃上げ集計結果を発表した。7日時点で要求を出した84組合のうち32組合が妥結し、平均賃上げ額は9176円(昨年同期比1988円増)と30年ぶりに9千円を超えた。平均賃上げ率(定期昇給込み)は3.12%。
 基本給を底上げするベースアップ(ベア)を獲得した組合は9割を超えた。初任給の引き上げや物価高に伴う一時金などを獲得した組合もあった。業種別では「商業・流通」がけん引。新型コロナウイルス禍の影響を特に受けた「交通・運輸」や「サービス・ホテル」でも、全体的にベアが実施されている。
 一方、32組合のうち9組合の中小地場組合の平均賃上げ額は4540円(昨年同期比1198円増)にとどまる。連合長崎の事務局は「全国では比較可能な2013年闘争以降、最も高い集計となっている。長崎県でも現時点では賃上げの流れがある。中小地場組合の交渉はこれからが本番。中小企業も価格転嫁をして賃上げをするのが重要」としている。
 今後は5月11日に第2回、6月6日に第3回集計結果を公表する予定。

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